「working/editing 制作と編集」展が見せる新地平。石毛健太、田中良佑、BIEN、楊博が作品と編集物を発表

石毛健太、田中良佑、BIEN、楊博による展覧会「working/editing 制作と編集」が、アーツ千代田 3331内・アキバタマビ21で開催されている。会期は2月22日まで。

石毛 健太 Clonechoe 2019

 今日の美術は、プロジェクトベースの作品とマーケットを意識した単体で完結するプロダクトの二極化が目立つ。石毛健太、田中良佑、BIEN、楊博による展覧会「working/editing 制作と編集」は、そのどちらでもない、物質として存在する作品ひとつから、その後に続く無数のバリエーションの存在、変化の可能性を示唆する作品のあり様を再考するもの(アキバタマビ21、東京、〜2月22日)。

BIEN Day For Night 2019 Courtesy of Department of Arts Studies and Curatorial Practices, Graduate School of Global Arts, Tokyo University of the Arts. Photo by Masataka Tanaka.
田中良佑 夜が嘆きに包まれても 2019

 都市論の再考などをテーマに掲げ、美術家のみならずインディペンデントキュレーターとしても活動を行う石毛、作品制作を通じて様々な人生の可能性の探求を試みる田中、ストリートカルチャーなどを参照し、抽象絵画やインスタレーションを展開するBIEN、そして文化の産物と人との距離をテーマに、絵画を中心に使った創造活動を行う楊博──この4名が、「作品と、編集物(それは本でも雑誌でもよいし映像でも構わない)を最低1点ずつ制作し、最低2点の制作物を展示する」という制度のうえで展覧会を展開している。

 DVDボックスの特典として、監督のインタビューやメイキング映像が付属されるように、作家のある瞬間の言動や技術、その他諸々の一時的な結晶が「作品」であるとして、その過程にある「作品未満」の何か、作品とは別のかたちを持つ「編集物」の可能性を追求する展覧会だ。

楊博 score 2019

編集部

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