2019年に凸版印刷は、金箔用紙に密着性の高いインクを使用し、岩絵具などで描かれた作品の絵柄を印刷する「Refina Graphy(レフィナ グラフィ)」を開発。金箔用紙に密着性の高いインクを使用し、岩絵具などで描かれた作品の絵柄を印刷することができる「印刷による複製技術」だ。
加えて印刷技術を応用した表面加工により、和紙や金箔、金泥など日本の文化財の特徴である様々な質感の再現に成功。高精細なアーカイブデータと印刷が微細な表現を実現するとともに、独自のカラーマネジメントノウハウにより、本物の色調を忠実に再現できるという。
20年7月1日より、このRefina Graphyを用いて制作された国宝《洛中洛外図屛風(舟木本)》の高品位複製が、三越伊勢丹で販売開始となる。本複製は、東京国立博物館監修のもと《洛中洛外図屛風(舟木本)》に描かれた景観の奥行きや華やかさを正確に表現したもの。
なお本複製は限定10点とされ、売り上げの一部は東京国立博物館の文化財保護・普及・研究活動に役立てられる。国宝や重要文化財の高品位複製は、人々にとって、貴重な作品を身近に楽しむ新しい鑑賞の機会となるだろう。