アーティストの布施琳太郎が、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う展示芸術の不自由に対する抵抗として、自身と詩人・水沢なおによる2人展「隔離式濃厚接触室」を企画。会場となるのは、ひとりずつしかアクセスすることのできないウェブページだ。
布施は1994年生まれ、現在東京藝術大学大学院映像研究科後期博士課程(映像メディア学)に在籍。自身の制作と並行して展覧会の企画やテキストの執筆など多様な活動を展開し、今年2月にはグループ展「余白/Marginalia」(SNOW Contemporary)のキュレーションを手がけた。
いっぽう水沢は95年生まれ、武蔵野美術大学卒業。昨年第1詩集『美しいからだよ』(思潮社)を上梓し、今年には第25回中原中也賞を受賞した。
展覧会を「体験」として位置づける布施は、体験を捨象した情報や商品として作品が発表されることもある「オンラインビューイング」「バーチャルツアー」に疑問を呈し、本展を企画。ひとり以上の鑑賞者が滞在することのできないウェブページによって、個別の身体の完全な隔離と、自身の掲げる「新しい孤独」というコンセプトの成立を目指す。
本展では、カメラ・オブスクラを介した布施の新作と、水沢による書き下ろしの詩を展示。会期は4月30日から24時間のあいだ。なお、布施による展覧会のためのノートの全文はこちらから読むことができる。