フランスを代表するアーティスト、ジャン=ミシェル・オトニエルの個展「《夢路》DREAM ROAD」が六本木・ペロタン東京にて開催される。会期は2020年9月16日〜10月24日。
1980年代後半からドローイング、彫刻作品、インスタレーション、写真、執筆、パフォーマンスに至るまで多彩な表現方法で創作活動を行ってきたオトニエル。詩的で繊細な素材を好み、90年代初頭から蝋や硫黄を用いて制作、その後ガラスを用いた作品を多く制作してきた。92年にドクメンタにて作品が紹介され、同年初めて日本でも作品を発表。その後2000年にパリのメトロ駅、パレ・ロワイヤル・ミュゼ・ド・ルーブルのエントランス装飾を手掛けるなど、美術館の外にも活躍の場を広げている。
本展は、ジャン=ミシェル・オトニエルにとって2012年に原美術館で開催された回顧展以来初の国内個展。会場では、日本を象徴する花のひとつ、菊の花にインスピレーションを得て制作した、初公開のガラス立体作品シリーズ「Kiku」や、金箔を用いた絵画作品を展示する。
立体作品「Kiku」の形状は有機的かつ曖昧。植物と「結び目」の中間にあり、愛や日本文化における「結び」の伝統美をも参考にしているという。
冬に差し掛かる時期に開花する驚異の生命力を持ち、古くから長寿や若返りの象徴として知られている菊の花。その菊の花が咲く神聖で魅惑的な世界を「夢路」と名付け、素朴なものから生まれる感情、身近に存在する驚異的な物事に気づくための新たな視点を提供する。