2017年5月から19年8月まで、渋谷PARCO建て替え工事に伴う環境演出として行われた「アートウォール・プロジェクト」で、大友克洋による『AKIRA』の世界観を再構築する作品を手がけたコラージュアーティストの河村康輔。その個展が、東京・西麻布のCALM & PUNK GALLERYで開催されている。会期は3月8日まで。
「コラージュアーティスト」という肩書きで語られることの多い河村だが、実際には自身に影響を与えた音楽やファッションに関わるグラフィックデザインへの憧れからキャリアをスタート。装丁やフライヤーのデザインを手がけ、周囲からの評価を得るなかで、自分がグラフィックデザインだと思い込んでいたものが「コラージュ」であることに気づき、改めてその手法と出会うことになったという。
河村の表現に大きな変化をもたらしたのは、「1枚の素材だけと向き合う」という挑戦から生まれた近年の代表的なシリーズ「シュレッダー・コラージュ」。自身初の作品集『2ND』にいたるまで繰り返し行ってきた、大量の素材から多重のレイヤーを生み出すコラージュの正統的なスタイルとは真逆の作品群だ。
本展で河村は、過去最大となる全長3メートルのシュレッダー・コラージュによるインスタレーションを展開。あわせて、今年に入ってから制作された新作のコラージュも見ることができる。