これまでに、食物や味覚のイメージ、食事と滋養との関係について問い続け、「取り込むこと/取り込まれること」という観点から「食べること」を考察してきたアーティスト・岩間朝子。
近年、「植物の移動」に興味を持ちリサーチしてきた岩間は、18世紀ごろに食用・薬用・観賞用のために、アジアからヨーロッパに運ばれた動植物や鉱物に注目。そのうちのひとつが、現在もヨーロッパに自生する日本のハマナスの実(ローズヒップ)であることにたどり着いた。
本展では、岩間が自己採集したハマナスにまつわる物語のポスターを、ボルボ スタジオ 青山の店内に展示する。このポスターは、現在岩間が滞在制作を行っているオランダ・マーストリヒトのアーティスト・イン・レジデンス、「ヤン・ファン・エイク・アカデミー」のプリントラボ「Anne Pétronille Nypels Lab」で、リソグラフを用いて印刷された。
さらに、本展のポスターは自由に持ち帰ることが可能。その行為を植物の「採集」になぞらえ、リサーチの主題でもあった「植物の移動」の再構築を試みる。会場を訪れてポスターを手に入れ、このプロジェクトに参加してみてはいかがだろうか?