1960年代より映画やテレビドラマにおいて唯一無二の個性を持つ女優として活躍し、18年9月に世を去った樹木希林。『万引き家族』(2018)で第71回カンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞した、是枝裕和監督の歴代作品にも欠かせなかった存在だ。
「樹木希林 遊びをせんとや生まれけむ展」(1月1日〜26日)は、樹木希林が愛した貴重な愛用品、写真や映像、残した言葉によって、彼女の役者としての心構えや生き方を感じられる展覧会となっている。展覧会名の「遊びをせんとや生まれけむ」は、樹木希林が生前に愛した平安時代の歌謡集『梁塵秘抄』からの言葉で、時を忘れ無邪気に遊ぶ子供のように、生きることを楽しむという女優の姿勢が現れている。
展示は「日本アカデミー賞の部屋」「映画女優の部屋」「一個人の部屋」「日常の部屋」「言葉の道」「きものの部屋」「京都の部屋」の全7章により構成。
「映画女優の部屋」では50を超える出演作品のなかから『ツィゴイネルワイゼン』(鈴木清順、1980)、『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』(松岡錠司、2007)、『万引き家族』など12作品を、樹木希林の言葉や写真、予告・メイキング映像等で紹介。
「一個人の部屋」ではデビュー前の写真や直筆の手紙、こだわり抜いた服や着物、手編みブランケットなどを展示、また「日常の部屋」では娘夫婦や孫たちと暮らしたこだわりの家を、写真と愛用品によって再現する。
約300点の展示品により振り返る女優・樹木希林の軌跡。この機会に足を運んでみてはいかがだろう。