コレクションとともに現代美術作品を紹介する芦屋市立美術博物館の展覧会シリーズ「art trip」。その第3弾「in number, new world/四海の数」が開催される。会期は12月7日~2020年2月9日。
今井祝雄、久門剛史、津田道子、中村裕太が参加する本展のテーマは「数」。物事を考えるうえで特徴的な役割を果たし、人々の暮らしに密接に関係する「数」について再考する機会を生み出すことを試みる。
今井は具体美術協会で活動し、70年代から写真や映像を取り入れた作品を制作。80年以降はパブリックアートも手がけてきた。久門は空間の特性を活かし、音や光、影などの非物質的な現象を用いたインスタレーション作品を展開する。
津田は一貫して映像原理の論理的な探求をテーマに、メディアの特性を顕在化させる空間演出とパフォーマーとの共同作業により作品を発表。そして中村は「民俗と建築にまつわる工芸」という視点から陶磁器やタイルの学術研究を行うほか、自身も作品制作を行う。
本展では、4名の作家がそれぞれ自身の作品とともに展示する作品を同館のコレクションから選定。今井はどちらも「具体」のメンバーとして知られる田中敦子と関根美夫、久門は田中敦子、津田はデザイナー・版画家として活動した菅井汲ほか、中村は日本における抽象画の先駆者である長谷川三郎を選びだした。
時代も素材も異なる、新旧の作品のコラボレーションを見ることができる本展。4名はコレクションと対峙することで、「数とは何か」という問いにどのような答えを導き出すのだろうか。