今年3月から、移り変わる社会のなかでアートセンターに求められる役割を探る企画「アートセンターをひらく」を開催している水戸芸術館現代美術ギャラリー。同館をアーティストや来場者の「創作と対話」の場として活用した第Ⅰ期に続き、第Ⅱ期が開催される。会期は10月26日~2020年1月26日。
出展作家は呉夏枝(お・はぢ)、ハロルド・オフェイ、砂連尾理(じゃれお・おさむ)、末永史尚、潘逸舟(はん・いしゅ)、毛利悠子、エマニュエル・レネ。第Ⅰ期で1ヶ月の滞在制作を行った6名が同館の空間的な特徴や来場者との関係、そして周辺地域をリサーチし、市民の協力を得るなどして制作した新作を発表する。
なかでも砂連尾と参加者約20名は、第Ⅰ期から継続して障害や老い、母親になることなど、それぞれにとっての「変身」についての対話と身体表現のワークショップを毎月1~2回開催してきた。本展会期中にはこれを公開で実施し、終盤には最終発表を行う。
加えて作品の示す様々な事柄をピックアップし、それについて対話するプログラムを実施するほか、カフェも多世代・多目的の場として12月5日からオープン。カフェは、同館が2004年から毎年春に、教育プログラムとして高校生を対象に行ってきたものだ。誰でも利用できるセルフサービスのカフェは、市民による自主的な活動を育む場としても開かれる。展覧会を軸に、多彩な活動で「アートセンターをひらく」試みを目撃したい。