20世紀イタリアを代表する作家ピエロ・マンゾーニに注目。上映会、コンサートなどイベント開催

「イタリア現代アートの日」と称し、1950〜60年代ヨーロッパを代表するアーティスト、ピエロ・マンゾーニを取り上げたイベントをイタリア文化会館で開催。10月15日、17日の2日間にわたって講演会、ドキュメンタリー上映会、コンサートが行われる。

 

左からピエロ・マンゾーニ、ハインツ・マック、エンリコ・カステッラーニ マックの初個展オープニングにて(ミラノ、ガッレリア・アジムト、1960)写真提供=ZERO Foundation、デュッセルドルフ

 2005年にイタリア現代美術館協会が立ち上げたプロジェクト「現代アートの日」。昨年からは世界各地のイタリア文化会館でも実施。15回目となる本年、東京・九段のイタリア文化会館では1950~60年代のヨーロッパを代表するアーティスト、ピエロ・マンゾーニ(1933-63)を取り上げ、二日間にわたるイベントを行う。会期は10月15日、17日。

 マンゾーニは、短い制作活動期間の間で「アクローム(無色)」と称した数々の白い絵画作品や《線》(1959-1960)、《芸術家の糞》(1961)などイタリアのコンセプチュアル・アート草分け的作品や先駆的なパフォーマンス作品を制作。アートそのものの概念だけでなく、作者と観賞者の関係を根本的に変えることを目指した。また美術界の変革にもその意欲を見せ、雑誌『Azimuth』の創刊やギャラリーの開設にも携わる。

ドキュメンタリー ピエロ・マンゾーニとグループ・ゼロより ピエロ・マンゾーニと作品Scultura nello spazio(空間のなかの彫刻)、Corpo di luce assoluto(光の絶対的身体)(1960年7月、ヘアニング、アングリ・ファクトリー)

 1日目の講演会では、豊田市美術館学芸員を経て現在信州大学で教鞭をとる金井直が登壇。マンゾーニの作家活動の背景と同時代の状況、アルテ・ポーヴェラなどに対する影響について語る。また、1950年代末から60年代初頭のマンゾーニを中心としたアーティストの創作活動やその関係を描くドキュメンタリーも合わせて上映。2日目には、マンゾーニに着想を得て作曲されたピアノ組曲「アクローム」の演奏をはじめとする、チーロ・ロンゴバルディによるピアノリサイタルが開催される。

チーロ・ロンゴバルディ (C)Giancarlo Pradelli

  

編集部

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