2000年前後からその活動が広く知られるようになった、ドイツ人作家フリードリヒ・クナス。当たり前の経験を、崇高なものと結びつけた叙情的な作品を生み出してきたクナスの個展が、東京・原宿のBLUM&POEにて開催されている。会期は10月19日まで。
1974年に旧東ドイツのケムニッツに生まれたクナスは、ブラウンシュヴァイク美術大学卒業後、ロサンゼルスへ活動拠点を移す。自身の渡米経験も影響し、ドイツのロマン主義的な風景画にポップカルチャー、アニメや詩などの要素を取り入れた独自の作風で、愛、希望、絶望などの普遍的な感情を孕んだ作品を制作している。
クナスはこれまで、ドイツ、フランス、アメリカなど世界各地で個展を開催しており、その作品はカーネギー美術館、ポンピドゥー・センターをはじめとする数々の美術機関に所蔵。2018年には、ニューヨークを拠点とするリッツォーリ・エレクタ社より320ページにおよぶ作品集が刊行された。
本展では、クナスの人生観をテーマに描いた新作なども展示。また、DOVER STREET MARKET GINZAのブック・ショップBIBLIOTHECAでは、クナスによるアートワークが第10号のカバーを飾るテニスカルチャーマガジン「Racquet Magazine」を販売、さらにブック・サイニングイベントも開催する。こちらもあわせてチェックしたい。