仙厓への愛にあふれた個人コレクションを一挙公開。福岡市美術館で見る画業の初期から晩年、日用品まで

動物を描いたユーモラスな禅画で知られる仙厓。その画業の初期から晩年をたどる作品のほか、茶器や文房具などの日用品までを収集した「小西コレクション」の全貌を展観する「仙厓―小西コレクション」展が、福岡市美術館で開催される。会期は10月1日〜12月1日。

仙厓義梵筆 双狗図

 動物や人物などを描いたユーモラスな禅画で知られる仙厓義梵(1750~1837)。日本最初の禅寺・聖福寺の住職を務め、親しみやすい書画で禅の教えをわかりやすく伝えたことから「博多の仙厓さん」として慕われてきた。

 そのため福岡・博多では、地元の文化人や実業家による優れた仙厓コレクションが形成。そのひとつである「小西コレクション」は証券会社の経営者・小西友次郎が収集し、その子息・小西昭一より2016年に福岡市美術館に寄贈されたもの。これを記念し、同館で「仙厓―小西コレクション」展が開催される。

仙厓義梵筆 蜆子和尚図
仙厓義梵作 鳩形香合

 小西コレクションの全容を示す初の機会となる本展。最大の特徴は、全55点におよぶ収集品の幅広さだ。展示されるのはその画業の初期から晩年までをたどる作品のほか、茶器や文房具などの日用品。謹直なスタイルの禅画や緩やかな筆致で描かれた動物たちを楽しみながら、仙厓をこよなく愛したコレクターの思いを感じることができるだろう。

仙厓義梵筆 すす玉名人図

編集部

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