ルイ・ヴィトン、 アルチュザラ、 コム デ ギャルソンなどが相次いでコレクションテーマに掲げるなど、 近年アート界のみならずファッション界でも評価が高まっている「BORO」=「日本のボロ」。このBOROにフォーカスした展覧会が、世界を巡回している。
「AMUSE MUSEUM BORO World Tour Exhibition 2019-2021」は、総合エンタテインメント事業を展開するアミューズが主催する展覧会で、民俗学者・田中忠三郎(1933~2013)が収集保存した民俗衣コレクションを紹介するもの。
これらのコレクションは、2009年10月から19年3月まで東京・浅草のアミューズミュージアムで展示されていたもので、 江戸後期~昭和初期に青森を中心とする東北地方で、 農民・漁民が使用していた衣類・布類からなる。
ツギハギだらけのボロ布類は、近年「BORO」と呼ばれ、2013年のルイ・ヴィトン、 2014年のアルチュザラ、 2015年のコム デ ギャルソンと、コレクションブランドが相次いで「日本のボロ」をテーマにしたコレクションを発表するなど、 世界各地のファッションクリエイターに影響を及ぼしている。
海外初の展覧会となる本展は、オーストラリアよりスタート。1都市目のシドニー(6月19日~23日)では5日間で6万人の来場者数を記録したという。オーストラリアではメルボルン(7月25日~28日)、キャンベラ(8月15日~18日)と開催され、10月からはその舞台を中国に移す。
北京服装学院民族服飾博物館(10月19日~12月3日)、深圳画院美術館(12月14日~2020年1月3日)を経て、その後はニューヨーク、ストックホルム、モスクワへと巡回予定。この巡回後、アミューズは日本国内で新たなアミューズミュージアムの開館を計画しているという。