栃木県立美術館で、絵画に注目した企画展「絵を見るとき、あなたは何を見ているの?」が開催される。
本展は「顔」や「情景」といったテーマを立て、どのようにして絵画は生まれてきたのか、鑑賞者はそこに何を発見するのかを探るもの。日々目の前を通り過ぎていくたくさんの「絵」と、これまで以上に豊かに接するための方法を提示する。
本展では同館のコレクションを中心に、青木繁や清水登之、小林孝亘、ジョン・スローンなど様々な国・年代の作品を展示。「顔を見る」「物語を読む」「たいせつな場所」「どこを見ればいいの?」などの章立てで、絵画に登場するモチーフや風景に注目した構成となっている。
なかでも注目したいのは、同館の調査によりその存在が明らかになった、藤田嗣治による最初期のおかっぱ頭の自画像だ。同作は藤田がパリ滞在中の1914年、友人の画家・桑重儀一を送別する寄せ書きに描いたもので、今回が初公開となる。
これにあわせ、東京国立近代美術館が所蔵する自画像の代表作のほか、藤田作品と関連する作品の特集展示も行われる本展。会期中には藤田研究で知られる美術史家・林洋子による講演会も開催される。