AKI INOMATAの個展「Significant Otherness」が十和田市現代美術館で開催。生きものとの協働作業から見えるものとは?
生物の観察と調査を通して、ユーモアあふれる独創的な作品を発表してきたアーティスト・AKI INOMATA。その個展「AKI INOMATA:Significant Otherness 生きものと私が出会うとき」が、青森・十和田市現代美術館で開催される。会期は9月14日〜2020年1月13日。
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AKI INOMATAは1983年生まれ、2008年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。3Dプリンターを用いて各国の都市を模したヤドカリの殻をつくり、実際に引っ越しをさせる《やどかりに「やど」を渡してみる》や、作家自身の髪と飼い犬の毛でケープをつくり、お互いが着用する《犬の毛を私がまとい、私の髪を犬がまとう》などの作品で知られている。
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観察と調査を踏まえ、生物との協働作業によって制作を行うAKI INOMATA。近年は「Why Not Hand Over a “Shelter” to Hermit Crabs?」(ナント美術館、フランス、2018)、「エマージェンシーズ!025 『Inter-Nature Communication』AKI INOMATA」(ICC、2015)などの個展を開催するほか、各地の芸術祭やグループ展にも参加している。
そんなAKI INOMATAの個展「AKI INOMATA:Significant Otherness 生きものと私が出会うとき」が、十和田市現代美術館で開催される。
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©AKI INOMATA / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY
展覧会タイトルの「Significant Otherness(シグニフィカント・アザネス)」は「重要な他者性」を意味する言葉で、科学史家ダナ・ハラウェイが提唱した、地球上に生きる生物種との関係のあり方に着想を得たもの。本展では、震災の影響を受けたアサリを観察した作品や、小さく刻んだ女性の衣服をミノムシにまとってもらう作品などを展示。また、かつて十和田を含む青森県南部で飼育されていた「南部馬」を題材にした新作も発表される。
人間とは違う視点から見た世界を追体験することのできる本展。生き物とともにつくられた作品群は、長い時間の流れや環境、生態系についての思索を鑑賞者の胸のうちに引き起こすことだろう。