Asian Art Award 2018のファイナリスト4名が発表。3月に天王洲で展覧会開催へ

アートフェア東京などを運営するアート東京が主催し、寺田倉庫が特別協賛する「Asian Art Award 2018 supported by Warehouse TERRADA」のファイナリスト4名が発表された。2回目の開催となる今回は、3月に会期を移し、前回同様TERRADA ART COMPLEXでファイナリスト展を開催する。

AKI INOMATA やどかりに「やど」をわたしてみる -White Chapel- 2014 樹脂 6×6×6cm ©AKI INOMATA / courtecy of MAHO KUBOTA GALLERY

 「Asian Art Award supported by Warehouse TERRADA」は、日本からアジアや世界へ向けて、国際的な活躍が期待されるアーティストの支援を目的に、昨年創設された現代美術のアワード。対象者は、現代美術の領域で活動し、同時代のグローバルな問題意識とともに世界を見通す力が作品に現れているアーティストとなっている。

 候補となるアーティストは、国内の若手から中堅のキュレーター5名によって選出。アートフェア東京2018と同時期に展覧会を開催し、受賞者を発表するとともに、国内外より招聘された審査員による審査を経て、大賞が決まる。前回は、谷口暁彦、松川朋奈、山本高之、山城知佳子、contact Gonzoの5組がファイナリストに選ばれ、山城が大賞に輝いた。

 そして今回、ファイナリストに選ばれたのはAKI INOMATA(1983年東京都生まれ)、小金沢健人(1974年東京都生まれ)、冨井大裕(1973年新潟県生まれ)、和田昌宏(1977年東京都生まれ)の4名。

 AKI INOMATAは2008年に東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻を修了。生き物との協働作業によって作品制作を行っており、主な作品に、都市をかたどったヤドカリの殻をつくり実際に引っ越しをさせる《やどかりに『やど』をわたしてみる》などがある。

AKI INOMATA girl, girl, girl . . . 2012 ミノムシ、服地、映像、写真 サイズ可変 ©AKI INOMATA / courtecy of MAHO KUBOTA GALLERY

 また、小金沢健人は武蔵野美術大学映像学科を卒業後、99年にベルリンへ渡り、同地で18年間を過ごした後、2017年に帰国。時間への興味を振り出しに、日用品の使い方からシャーマニズムまで、幅広く「意識の変容」に関心を持ちアプローチしてきた。

小金沢健人 電流の繁殖 2009 223本の蛍光管、タイマー  サイズ可変

 冨井大裕は、既製品に最小限の手を加え、固定された意味から解放し、色やかたちをそなえた造形要素として「彫刻」のあらたな可能性を模索している。

冨井大裕 PP_FS #11 2015 紙袋 152×50×18cm ©Motohiro Tomii, Courtesy of Yumiko Chiba Associates Photo by YANAGIBA Masaru

 和田昌宏は04年にロンドン大学ゴールドスミスカレッジファインアートを卒業。アーティスト活動のほか、「国立奥多摩美術館」や「Ongoing Collective」など、オルタナティブスペースやアーティストコレクティブの活動にも関わっている。

和田昌宏 A Song For My Son (蒲原) 2016 ミクストメディア(ダブルスクリーンインスタレーション) サイズ可変 Photo by Ujin Matsuo

 選考委員を務めたのは、小澤慶介(アワードディレクター、アートト代表、インディペンデント・キュレーター)、金澤韻(インディペンデント・キュレーター、十和田市現代美術館学芸統括)、国枝かつら(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館学芸員)、服部浩之(インディペンデント・キュレーター)、山峰潤也(水戸芸術館現代美術センター学芸員)の5名。

 ファイナリストたちは新作あるいは準新作を制作し、2018年3月に天王洲のTERRADA ART COMPLEXで開催するファイナリスト展に作品を展示。会期中に大賞が決定し、3月8日のアートフェア東京2018会場内で発表される。また、大賞受賞者には、100万円の賞金のほか制作活動場所と、上海とアートフェア東京2019での受賞作発表の機会が提供される。

編集部

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