2019.5.25

六本木アートナイトから福沢一郎まで、今週末に見たい3つの展覧会

5月26日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

「六本木アートナイト」にて、六本木ヒルズ66プラザの展示風景より、セドリック・ル・ボルニュ《欲望と脅威》
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今年も開催!「六本木アートナイト2019」(六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウンほか)

六本木ヒルズアリーナの展示風景より、崔正化《フルーツ・ツリー》

 六本木の街を舞台に繰り広げられる、一夜限りのアートの祭典「六本木アートナイト」。今年は5月25日、26日の2日間にわたり、六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、21_21DESIGN SIGHTなど各所で多彩なプログラムが開催される。

 テーマは「夜の旅、昼の夢」。メイン・アーティストの崔正化(チェ・ジョンファ)による果物や野菜のカラフルなバルーン彫刻《フルーツ・ツリー》、セドリック・ル・ボルニュによる鳥のオブジェ《欲望と脅威》、カート・パーシキーによる、移動式作品《レッドボール・プロジェクト》など、国際色あふれるプログラムを昼夜問わず楽しめる2日間となっている。

会期:2019年5月25日(10:00)〜5月26日(18:00)
会場:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
料金:無料(ただし、一部のプログラム及び美術館企画は有料)

 

1970〜80年代生まれの日本の作家25名。「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館)

展示風景より、今津景《ロングタームメモリー》(2018)

 「六本木アートナイト」では、森美術館で開催中の企画展にも足を運んでみてはいかがだろうか。美術館が3年に1度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会シリーズ「六本木クロッシング」も、5月26日に閉幕を迎える。

 今回はシリーズ初の試みとして、森美術館の3名のキュレーター(椿玲子、徳山拓一、熊倉晴子)が共同キュレーションを行い、1970〜80年代生まれを中心とした日本の作家を紹介。今津景、川久保ジョイ、杉戸洋、田村友一郎、佃弘樹など、作品を通じて対極/異質なものどうしを融合することや、本来備わっているつながりを可視化することを試みる約25組の作品を見ることがきる。

会期:2019年2月9日~5月26日(5月25日は翌朝6:00まで[最終入館 5:30])
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~22:00(火〜17:00)※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1200円 / 4歳〜中学生 600円 / 65歳以上 1500円休館日:会期中無休

 

弾圧を受けながらも、社会を批評する絵画を描き続けた画家。「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」(東京国立近代美術館)

福沢一郎 牛 1936 東京国立近代美術館蔵

 シュルレアリスムを日本に紹介し、戦時中には弾圧を受けながらも、晩年にいたるまで社会を批評する絵画を描き続けた画家・福沢一郎(1898~1992)。その画業を約100点の作品で振り返る展覧会が5月26日に会期終了を迎える。

 謎めいたイメージのなかに知的なユーモアを込めつつ、ただの時事諷刺に終わらせずに普遍的な人間の問題として表現する姿勢を一貫して持ち続けた福沢。その人間批評の実践の数々は、現在私たちが直面する、表現や言論をめぐるさまざまな状況を考えるヒントを与えてくれるかもしれない。

会期:2019年3月12日〜5月26日
会場:東京国立近代美術館1階 企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園 3-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土〜20:00)※入館は閉館の 30 分前まで
休館日:月
料金:一般 1200円 / 大学生 800円 / 高校生以下・18歳未満無料