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福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ

福沢一郎 煽動者 1931 一般財団法人福沢一郎記念美術財団蔵

福沢一郎 Poisson d'Avril(四月馬鹿) 1930 東京国立近代美術館蔵

福沢一郎 牛 1936 東京国立近代美術館蔵

福沢一郎 敗戦群像 1948 群馬県立近代美術館蔵

福沢一郎 トイレット・ペーパー地獄 1974 群馬県立近代美術館蔵

 昭和戦前期から戦後まで日本の洋画界を牽引した画家・福沢一郎。1930年代にフランスのシュルレアリスム(超現実主義)を日本に紹介するとともに、知的なユーモアをもって社会批評のメッセージを象徴的に表現し、前衛美術運動の中心的役割を果たした。戦時中は弾圧を受けるも、戦後再び社会批評的な視点から人間群像の大作に取り組み、晩年には文化勲章を受章した。

 本展は、シュルレアリスムの紹介者としての側面からではなく、ひとりの画家として福沢が生涯を通じて、社会とどのように向き合ったかに着目。謎めいた画面の中に、社会の矛盾や人々の愚かな行いを笑いとばす諷刺を込めた初期作品や、戦後美術の起点とも言われる代表作《敗戦群像》(1948)、東西の地獄のイメージを借りながら社会批評を試みた連作など、時代順に分けて約100点を展示する。

 多彩でありながら一貫した問題意識に基づいて制作された作品群を通じて、人間を鋭く見つめた福沢の画業の、今日的意義を改めてとらえ直す。