昨年7月からの施設改修を経て、今年6月にリニューアル・オープンとなる豊田市美術館。これを記念し、大規模なコレクション展「世界を開くのは誰だ?」が開催される。
本展では、美術館活動の源であるコレクションから選りすぐりの名品に、近年収蔵された作品をあわせた約150点を展示。「世界を開く」をキーワードに、この大きな課題に挑む表現の数々を4つのテーマに分けて紹介する。
第1章「身体を開く」では、シーレやムンクから森村泰昌、ミヤギフトシ、村瀬恭子まで、アーティストたちが生み出してきた多様な身体のかたちを紹介。続く第2章「日常を開く」では、私たちの周りに広がる自然や日常を構成するものをテーマとした作品から、熊谷守一の絵画やミース・ファン・デル・ローエによる家具が並ぶ。
第3章は「歴史・記憶・社会を開く」とし、自然との関わりから作品をつくり出すジュゼッペ・ペノーネや、プロジェクト型の作品で知られる加藤翼を取り上げる。そして第4章「まだ見ぬ世界を開く」では、フォンタナや佐藤克久など、抽象によって「まだ見ぬ何か」を求める作家の作品を見ることができる。
なお今後の同館企画の展覧会としては、岡﨑乾二郎(11月23日~2020年2月23日)、久門剛史(3月20日~6月21日)の個展が開催予定。新たに生まれ変わった同館のこれからにも注目したい。