赤い布がギャラリーの窓を覆う。KEN NAKAHASHIで松下まり子「Oasis」が開催

絵画表現だけでなく、パフォーマンス、映像、写真、詩、立体など新たなメディアを用いた表現へと活動を広げるアーティスト・松下まり子。その最新個展「Oasis」が、東京・新宿のKEN NAKAHASHIで開催される。会期は5月3日〜6月1日。

「赤い部屋」(2019) 撮影=齋藤裕也 © 松下まり子  Courtesy of KEN NAKAHASHI

 1980年大阪府生まれのアーティスト・松下まり子による新作個展「Oasis」が、東京・新宿のKEN NAKAHASHIで開催される。

 松下は2004年に京都市芸術大学油画専攻を卒業。16年に「第2回CAFAA賞」最優秀賞を受賞し、翌17年にロンドンのデルフィナ財団でのレジデンスに参加した。近年では、海外への旅や東京での日常を通じて、絵画表現だけでなく、パフォーマンス、映像、写真、詩、立体など新たなメディアを用いた表現へと活動を広げている。

 本展の中心となるのは「赤い部屋」。これは、世界中の赤い薄い布——女性や子供服のレースや松下自身のシャツをつなぎ、太陽の光を透かして神秘的に部屋をあたためるというもの。窓さえも覆われた部屋には白く曖昧なかたちの彫刻が置かれ、光や風、温度や重力を感じられる空間がつくられるという。

「赤い部屋 -London-」(2017)  © 松下まり子 Courtesy of KEN NAKAHASHI 

 松下は「赤い部屋」を徐々に布を増やしながら世界のどこかに繰り返し現れ、消えていくものとしており、過去には17年のロンドン滞在中にも制作された。本展では、新作の立体や絵画作品とともに展示される。松下自身、「この部屋から出ていくとき、私は毎回、いま、生まれ落ちたように感じます」と語る「赤い部屋」で鑑賞者は何を感じ取るだろうか。 

編集部

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