高須咲恵、松下徹らによる「SIDE CORE」とともに、ストリートの視点から作品を制作するアーティスト・コレクティヴの「EVERYDAY HOLIDAY SQUAD」(以下、EHS)。
EHSはこれまで、東京の暗渠に潜り込み、誰も見ることのできない壁画制作を行った際のドキュメント《unknown》(2015)などの作品を発表。また2017年のReborn-Art Festivalでは、夜の工事現場がスケートパークに置き換わる映像作品《rode work》で注目を集めた。
本展でEHSは、巨大な「ネズミ」が数日間深夜の街を徘徊する映像作品を制作。作品には、ネズミを動かすために、何人ものアーティストやその友人たちがともに夜を明かす様子が記録されている。いびつで巨大なネズミはEHS自身の肖像でもあり、行き場を追われるマイノリティの姿や、オリンピックを前に迷走する東京そのものを表しているようでもある。
街に自らの「たまり場」をつくり、遊ぶように都市の変化を浮かび上がらせるEHSの試み。巨大なネズミとともに、「意味のない徹夜」と夜の散歩を追体験してみたい。