NEWS / EXHIBITION - 2019.1.9

電流が残した焼け跡、振り子の軌道で描いた曲線を集めて。松下徹が現象をコラージュした新作絵画を発表

アーティストとして制作を行う傍ら、日本のストリートカルチャーに焦点を当てた企画チーム「SIDE CORE」の中心人物としても活動している松下徹。そんな松下の個展「CUTTER」が、東京・西麻布のSNOW Contemporaryで開催される。本展では、工芸や化学実験から着想を得たという、自動的な制作プロセスによって描かれた絵画作品の新作を見ることができる。会期は2019年2月1日〜3月2日。

松下徹 回路#2 ミクストメディア 2018

 アーティストとして制作を行う傍ら、日本のストリートカルチャーに焦点を当てた企画チーム「SIDE CORE」の中心人物としても活動している松下徹。そのアーティストならではの視点とリサーチによって、ストリートカルチャーに焦点を当てたメディアへの寄稿や、レクチャー、トークショーにも参加するなど、その活動の範囲を広げている。

 今回、東京・西麻布のSNOW Contemporaryで開催される個展「CUTTER」では、高電圧電流が残した焼け跡や、振り子の軌道で描いた曲線、絵具のひび割れなど、様々な現象やシステムが生み出す動きの痕跡をコラージュした絵画作品の新作を展示。

 この自動的なシステムによるペインティングは、工芸や化学実験から着想を得ており、とくにフラクタル(自己相似性)を持つかたちをつくり出すことに、松下は興味を寄せているという。全体と部分が比例の関係を持つ図形であり、時間や空間に対して固有のスケールを持たないフラクタル。おもに、インターネットのトラフィックパターンや金融市場の価格変動などが、このようなフラクタル構造を持っている。

 松下は自身の絵画制作を「観測・収集する行為」としてとらえ、システムの按配を微調整しながら、複数のパターンをつくり出すことに成功。近年の松下は、つくり出した素材をコラージュする過程も加え、フラクタルに展開するパターンを解体したりつなげるプロセスを通じて絵画を構成している。松下曰く、コラージュは「絵画制作に動画の編集のような、絵のなかに時間を編集していく作業」。

 松下によって、このように観測・収集・編集をしていくこと、いくつかの異なる行為や過程を経て制作される絵画は、独特のリズム感をもたらす幾何学的な抽象画となり、都市景観の地図や電気回路のような、スケールを横断するイメージをもたらすものだ。

 本展では、その新作絵画とともに、絵画制作のプロセスを撮影した映像作品も初公開。多様な視点で都市に介入する企画を多く実践してきた「SIDE CORE」の松下だからこそ生み出せる複眼的な絵画作品を堪能したい。