世界初のミームアーティストを突き動かす哲学とは? LUSH(ラッシュ・サックス)の個展がHidari Zingaroで開催中

Meme(ミーム)と呼ばれるインターネット上の「ネタ」を巨大な壁画として描くストリートアーティスト、LUSH(ラッシュ・サックス)の新作を紹介する個展「Okay, now THIS is epic.」が、東京・中野のHidari Zingaroで開催されている。会期は3月8日まで。

LUSH SUX

 LUSH(ラッシュ・サックス)は、オーストラリアのメルボルンを拠点に活動するストリートアーティスト。インターネット上で拡散される、いわゆる「ネタ」画像であるMeme(ミーム)を描いた巨大な壁画で知られる。

 これまでLUSHはニューヨークやロンドンで展覧会に参加するほか、2015年にはバンクシーによる展覧会「ディズマランド」に招かれ、作品を展示。ストリートでの活動やペインティングに加え、イラスト、コミック、映像作品など、その活動は多岐にわたる。

 LUSHがモチーフとするのは、ヌードやブラックユーモア、政治風刺、内輪ネタなど、インターネットカルチャーにおいてもっともショッキングで不謹慎な要素。そのときSNSを賑わせているセレブリティや政治家、一歩間違えば不快感を与えかねないぎりぎりのユーモアを、大胆不敵に描きつけていく。

 今回の個展で、LUSHは新作のキャンバス作品を展示。作者不明のMemeは文脈から切り離され、いまや政治家やセレブリティたちがオンラインの視覚文化における一要素となっていることを示す。さらに、LUSHはそれらをギャラリー空間に移植することで、インターネット上で受け入れられているものが、いかに違和感を伴って現実世界の領域を侵犯してくるのかを問う。

 「誰もがそれについて言いたいことがあると感じている何かを見つけて、それをいじって遊ぶ」という哲学に突き動かされて制作を続けるLUSH。世界初の「ミームアーティスト」による日本初個展を、逃さずチェックしてほしい。

編集部

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