東京・天王洲の建築倉庫ミュージアムにて、東南アジアの多種多様な木質建築や、その素材と技術を紹介する企画展「- Green, Green and Tropical - ⽊質時代の東南アジア建築展」が開催される。
檀、⿊檀、チーク、マホガニーといった⾼品質の⽊材から、⽵や籐などの植物材料までが揃う東南アジア圏。そこでは、古くから地元住民のあいだで共有されてきたノウハウの蓄積によって、多種多様な木質建築が展開されてきた。本展では、これらの建築群を紹介するとともに、そこに隠されたシステムを明らかにする。
今回、とくに注目すべきは「科学的に再現できない素材と技術」だ。「地域の土着材料」として日々の生活に取り入れられる、自然由来の生の素材。たとえ製品として完成されたものでも、「再生材料」として再構築され、活かされ続ける可能性を持つ。そして、予期せぬ災害が発生した場合、人々は従来の材料や技術による「緊急対応」により、自身の知恵を活かそうとする。
本展では、東南アジア圏における建築を「地域性と土着材料」「再生材料の可能性」「緊急対応の建築」の3つのテーマセクションに分けて紹介。それに加えて、調査研究やフィールドサーベイの資料も展示される。
「スローテクノロジー」とも分類される、東南アジア圏の木質建築を紹介する本展。未来を見据えたレジリエント(=回復力のある)建築技術を展望することができるだろう。