KADOKAWAと東京都墨田区の共同主催事業「Edo⇄2018 すみだ川再発見! ふねと水辺のアートプロジェクト」。その第3弾として、世界各国を巡りながら制作を続ける国際的アーティスト・鈴木康広の人気作品《ファスナーの船》が12月14日より運航される。
水面をキャンバスに航跡波を描きながら進む様子を、金具をスライドして布を開くファスナーに見立てた本作は、鈴木が飛行機から東京湾を眺めていた際に、とある船がふとファスナーの金具に見えたことから生み出されたという。
本作を実現するためのプロジェクトは、2004年にラジコンの模型からスタート。その後、10年の瀬戸内国際芸術祭にて、実際に船長が操縦する作品として公開された。
都市の「川」では初運航となる今回。その舞台となる隅田川は、江戸時代より庶民の遊び場であるとともに、武蔵国、下総国という2つの国を隔てる国境でもあった。鈴木は、今回の運航によって、そういった境界の役割を担ってきた隅田川が、本作が走ることにによって開かれたり、つながったりする様子を表現する。
加えて、隅田川沿いに位置するリバーサイドカフェ「シエロ イ リオ」では、葛飾北斎の名所浮世絵《冨嶽三十六景》の1図である「凱風快晴」(赤富士)をイメージした限定スイーツ「ふじりんごの包み焼き」を提供。《ファスナーの船》が店舗付近を通る時間の前後のカフェタイムに、あわせて楽しみたい。