水戸部七絵は神奈川県生まれ、2011年名古屋造形大学造形学部造形学科洋画コース修了。大量の絵具を画面に塗りつけた、大胆な色彩と質感の作品で注目を集める若手作家だ。
最近の個展に「水戸部七絵展」(gallery21yo-j、2016)、「DEPTH -Tranquil Pigment- 」(gallery N、2016)。グループ展に「高橋コレクション|顔と抽象ー清春白樺美術館コレクションとともに」(清春白樺美術館、2018)、「千一億光年トンネル」(ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション、2017)などがある。
今回の個展では、「DEPTH -Blue Pigment-」というタイトルの通り、青の顔料を使った作品を発表。一連の作品は、苦戦していた顔の絵画に青の顔料をかけたのがきっかけで生まれたという。目の前に現れた奥行きのある深い青の画面は、自身がヨーロッパで見た空にも通じるようだと水戸部は語る。
また、青にはもうひとつ、打撲痕の青あざという意味も込められている。時に黄色や紫色に変色し、その下には緑の血管が見える。生々しい身体の感触と、遠くに見える風景の青。異質なものが同居する水戸部の絵画を、この機会に体感したい。