植本一子は1984年生まれの写真家・文筆家。2003年にキヤノン写真新世紀で優秀賞を受賞。以来、広告、雑誌、CDジャケット、プロモーションビデオなどの分野で活動を続けてきた。著書に、家族や恋愛についてありのままに綴った『かなわない』(タバブックス)、夫で今年1月に逝去したラッパー・ECDの闘病生活を見守りながら書いた『家族最後の日』(太田出版)などがある。
そんな植本の新著『フェルメール』が、ナナロク社+ブルーシープから9月25日に刊行される。植本は約3週間にわたり、7ヶ国17の美術館を巡って現存するフェルメールの全作品を取材。同書は、その写真と日記による鑑賞記となっている。
同書には、フェルメールの筆使いや息遣いを感じるクローズアップ、各美術館の個性的な展示方法、そして街の空気感を収めた写真と、5万字におよぶ紀行文を掲載。マウリッツハイス美術館の絵画修復家、サブリナ・メローニによる寄稿文も収録されている。
Books and Modern + Blue Sheep Galleryで開催される本展は、『フェルメール』の出版を記念する展覧会。本のために撮影された約100点の写真と、日記の一部が展示される。植本の眼差しと言葉を通して、世界のフェルメール作品を巡る旅が楽しめる内容だ。また、会場では同書の先行販売、購入者特典として未収録カットのポストカードのプレゼントも予定されている。