2018.9.1

塩田千春の個展がケンジタキギャラリー東京で開催中。赤い糸を用いた「State of Being」シリーズの新作も

現代アートシーンを牽引する美術家・塩田千春の個展が、新宿のケンジタキギャラリー東京で開催中だ。本展では、塩田の代表作のひとつとして知られる「Endless Line」シリーズの新作とドローイングなどが公開されている。会期は9月15日まで。

本展展示風景 © Chiharu Shiota, Courtesy of Kenji Taki Gallery
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 現在、ベルリンを拠点に活動を行っている塩田千春。これまでにヨーロッパをはじめ、アメリカ、オーストラリアなど国際的な舞台で個展を開催し、日本代表作家に選出された第56回ヴェネチア・ビエンナーレ(2015)では、大量の赤い糸と世界中の人々から集められた鍵を使った《掌の鍵》を発表し、大きな注目を集めた。

 塩田はかねてより「生/死」という人間の根源的な問題を探求し、大規模なインスタレーションを中心に、立体、写真、映像を展開。空間に張り巡らされた糸、ドレス、靴、ベッドなど、人々の生活の痕跡や記憶を内包するような素材を用いた独自の作風で、見る者を深い作品体験へ誘ってきた。

 現在、新宿のケンジタキギャラリー東京で開催中の個展では、塩田の代表作のひとつとして知られる「State of Being」シリーズより、幾何学的なフレームに赤い糸を張り巡らせた新作が公開されている。加えて、グレーに塗られたキャンバスと白い糸を用いた「Night Sky」シリーズと、塩田芸術の源泉であるドローイング作品も見ることができる。

本展展示風景 © Chiharu Shiota, Courtesy of Kenji Taki Gallery