2018.8.19

金沢21世紀美術館が画家・西村有をピックアップ。日常風景の重なりが生み出す、ポエティックな絵画世界とは?

画家・西村有の個展が、石川県の金沢21世紀美術館で開催される。本展は、同美術館が2014年より実施している、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会シリーズ「アペルト」の第9回目。会期は10月6日〜2019年3月24日。

西村有 scenery passing(reflected in the window) 2017

 石川県の金沢21世紀美術館が2014年より実施している、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会シリーズ「アペルト」。第9回目の開催となる今年は、画家・西村有をピックアップする。

 西村は1982年神奈川県生まれ。2004年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業。近年では「Vol.65 西村有展」(清洲市はるひ美術館、2010)、「portrait」(KAYOKOYUKI、2017)と2度の個展を開催したほか、「現代地方譚4 アーティスト・イン・レジデンス須崎」(すさき まちかどギャラリー、2016)、「MISAKO & ROSEN キュレーション展 ―夏の扉」(シェーンキャンベルギャラリー、2017)といったグループ展にも多数参加。おもな受賞歴に、絹谷幸二賞(2017)、FACE 2016 損保ジャパン美術賞 絵画のゆくえ 優秀賞(2016)、シェル美術賞 2013 保坂健二朗審査員奨励賞(2013)などがある。

 西村の絵画は、ふと目にした風景や行為、日常生活の断片などを複雑に重ね合わせ、新たにひとつの風景を構築していく手法を特徴とする。現実から遠く離れた場所/情景を想像させる、詩的でぼんやりとした画面は、見る者を絵画の中の世界に引き込むだろう。