折元立身は1946年神奈川県生まれのパフォーマンス・アーティスト。69年に渡米し、カリフォルニア芸術大学で学ぶ。その後、71年に活動の拠点をニューヨークに移し、ナム・ジュン・パイク、フルクサス・グループとの出会ったことをきっかけにパフォーマンスを開始した。
これまでシドニー・ビエンナーレ(1988)、サンパウロ・ビエンナーレ(1991)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2001)、横浜トリエンナーレ(2001)など、国際展やパフォーマンス・アート・フェスティバルにも参加し、国内外で精力的に活動を行ってきた。主な個展には、「アート・ママ」(原美術館、東京、2000)、「生きるアート 折元立身」(川崎市市民ミュージアム、神奈川、2016)などがある。
今回、広島県の尾道市立美術館で開催される「折元立身 - 昔と今」展は、40年以上にわたって現代美術を牽引してきた折元の多種多様な表現を紹介するもの。
活動初期にあたる80年頃からアジア各地で行われた《腕輪をはめる》《耳を引く》などのパフォーマンスから、《パンを運ぶ》をはじめとする「Carrying」シリーズ、それ以降の《パン人間》《アート・ママ》といった近年の作品までが、写真、オブジェ、ドローイングなどで展示される。
これまで展示の機会が少なかった初期作品が公開される貴重な機会。国際的に活躍しつづける折元の作品群を堪能したい。