「超線形設計プロセス」で
展開される藤村龍至の作品群。
「ちのかたち」展で次世代の
建築の息吹を感じ取る

建築家・藤村龍至の個展「ちのかたちーー建築的思考のプロトタイプとその応用」が開催される。本展では、2017年に完成したばかりの「OM TERRACE」をはじめ、各プロジェクトで実際に使用した300あまりの模型群を中心に、デザインや映像作品なども紹介。会期は7月31日〜9月30日。

Ryuji Fujimura The Form of Knowledge ©Gotingham

 単純な形状を出発点とし、細かな条件をひとつひとつ反映しながら、多数の模型で比較・検討を重ねていく独自の設計手法「超線形設計プロセス」を展開してきた建築家・藤村龍至。つねに現代に即した建築のあり方を模索し、評論活動や教育活動など、多岐にわたって活動することで、「集合的な知」を形成しようと試みている。

 大宮駅東口駅前の小さな公共施設「OM TERRACE」は、藤村のその考え方を実践した一例で、全6回にわたる公開ミーティングを経て2017年に完成。街路を引き込むように設計された屋上のテラスは、若い世代を含む多くのひとを呼び込み、今後も様々なイベントでの活用が見込まれ、地域の活性化が期待されている。

Ryuji Fujimura OM TERRACE ©Takumi Ota

 本展は、建築を知識と形態の創造的な関係=「ちのかたち」としてとらえ、ときに機械による計算を伴いながら、設計作業をより多くのひととよりよい解を目指す方法論へと発展させることで、建築を「創造的な知のツール」として再定義するもの。

 「OM TERRACE」をはじめ、各プロジェクトで使用した300余りの模型群や、数千にも及ぶ画像をAI(人工知能)に学習させデザインした椅子、施工風景を含むタイムラプス映像などを紹介。それぞれのかたちが生み出されるプロセスを通じて、藤村の理念と実践に迫る機会となるだろう。

Ryuji Fujimura すばる幼稚園 ©Takumi Ota
Ryuji Fujimura The Form of Knowledge ©Gotingham

編集部

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