秋山佑太は1981年東京都生まれの美術家・建築家。20年にわたり建築の内装工を続けており、2016年から現代美術の領域で活動を開始、展覧会の空間設計なども行い、「BARRACKOUT展」(2016)や「ground under展」(2017)などの企画を行ってきた。
カタルシスの岸辺は、2017年に荒渡巌、海野林太郎らによって企画された、複数の若手美術作家による実験販売活動。作品未満のマテリアルにそのまま値段を付けた対面販売や、コイン投入式の映像視聴筐体の制作によって映像の対価を請求する活動などを行ってきた。
本展は、ギャラリーの内装工事と並行して開催。神宮前のビル1棟、1階から3階までの全フロアに屋上を加えた空間で、建造と制作の原材料の “循環” を主題としたインスタレーションを発表する。
作品の構想は、秋山が個人的に体験した、パーティクルボードに加工される廃木材の処理の様子を発端とするもの。その体験に、さらに展示会場近くでの新国立競技場の建設への思いが紐付けられ、美術と建築の領域を重ね合わせる、実験的試みが行われる。