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【独占インタビュー】LABUBUはいかに誕生したのか。生みの親、カシン・ロンが語る『THE MONSTERS』10年の歩みと創作の原点【2/4ページ】

東洋と西洋、そのあいだで生まれたLABUBU

──インディペンデントな絵本やアートトイからスタートし、いまでは世界的なポップカルチャーIPへと成長しました。『THE MONSTERS』の商業的成功について、どのように捉えていますか?

ロン まずなによりも、とても幸運だったと思います。もちろん、多くの方々に作品を好きになっていただけたことはありがたいですし、それは決して私ひとりの力ではありません。周囲にはたくさんの仲間やパートナーがいて、それぞれが力を貸してくれました。

 『THE MONSTERS』がここまで成長できたのは、多くの人が同じ方向を向いて取り組んできた結果です。この成功はチーム全員で築き上げたものだと思っています。

──アーティストとしての個人的な表現と、グローバルなIPとしての側面をどのように両立させていますか?

ロン 私のなかでは、プロダクト制作と個人制作はある程度切り分けて考えています。プロダクトをつくるときは、やはり市場やファンのニーズを意識する必要があります。どのような商品が求められているのか、どんな企画が喜ばれるのかを考えながら進めるので、それはチーム全体による共同作業だと言えます。

「MONSTERS BY MONSTERS: NOW AND THEN」展では、様々なLABUBUのトイが一堂に展示されている 写真提供:POP MART JAPAN

 いっぽうで、現在も定期的に個展や展覧会を開催していますし、絵画や絵本の制作も続けています。そうした作品は、よりパーソナルな創作です。自分自身の感情や考えを自由に表現できます。

 ときには商品開発のなかで市場の判断や現実的な事情に合わせなければならないこともあります。しかし、絵画や絵本の制作では、自分が本当にやりたいことを自由に追求できます。だからこそ、このふたつの活動が互いを補い合い、良いバランスを保てているのだと思います。

──LABUBUは世界中に多くのファンを持っています。なぜこのキャラクターは文化や言語の壁を越えて、多くの人々に受け入れられているのでしょうか。

ロン ひとつには、自分の経験が大きかったと思います。私は20年ほど前からベルギーやオランダの出版社と仕事をしてきましたし、自身もヨーロッパで育ったため、欧米の人々の考え方や文化に比較的親しみを感じています。

 いっぽうで、私は中国系のバックグラウンドを持っていますから、作品のなかには自然と東洋的な感覚も入り込んできます。長年創作を続けるなかで感じたのは、東洋的な要素が強すぎると欧米では理解されにくく、逆に西洋的な要素ばかりになるとアジアでは共感されにくいということです。

東洋と西洋の両方の文化のバランスを取りながら創作を続けるというカシン・ロン 写真提供:POP MART JAPAN

 その意味で私は、東洋と西洋の両方の文化に触れながら育ったことで、そのあいだの感覚を自然に身につけることができました。両者のバランスを取りながら創作できたことは、大きな強みだったと思います。

 『THE MONSTERS』が最初に発表されたのはアジアでしたが、そのなかには私が幼い頃から親しんできたヨーロッパの民話や童話の要素も数多く取り入れられています。東洋と西洋、両方の文化的な感覚が共存しているからこそ、アジアだけでなくヨーロッパでも自然に受け入れられ、国や地域を越えて共感を得ることができたのではないかと思っています。

編集部

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