渋谷ファッション&アート専門学校
渋谷と原宿のちょうど中間あたり、キャットストリートの入り口に位置する渋谷ファッション&アート専門学校。4階建ての校舎には絵画用のアトリエをはじめ、23区内でも屈指の広さを誇る彫刻工房、大小の各種プレス機やアクアチントボックスなどを完備した版画工房、ライブラリーなどの設備がそろう。
同校は黎明期にあった日本のファッション界を牽引し成果を残した田中千代が、1932年に創設した洋裁研究グループに端を発する。服飾業界で活躍する多くの卒業生を輩出し、2018年にはファインアートを学べる文化専門課程を新設。絵画、日本画、彫刻、版画の4つのコースを置いている。
4コース、3段階から選べる1年間のカリキュラム
文化専門課程のカリキュラムは1年間。これまでまったく美術を学んだことのない人から、美術大学を卒業した経験者まで、様々なレベルに合わせて学べる体制が整う。
入学時に、4つの専門コースと、「美術表現科」「造形表現科」「表現研究科」の3つの学科から1つずつ選択する。「美術表現科」は美術を初めて学ぶ人や基礎を学び直したい人、「造形表現科」はすでに美術を学んだことのある人が対象。自らの表現をさらに探究したい場合は「表現研究科」だ。
1年のカリキュラムを経てもっと学びたい場合は再入学という制度もあり、ステップアップや同じ学科に入り直すことも可能。基本は月曜から木曜の週4日通学制だが、金曜と土曜に通える「美術専科」もあり、自身のライフスタイルに合わせて選択できる。
公募展の入選・入賞実績も豊富
各公募展の入選・入賞実績が豊富なことも特長だ。2018年の課程新設以来、独立展のほか二科展、二紀展、国展、現代童画展、新制作展、日本彫刻会、都展、全国大学版画展などの公募展への入賞や入選は枚挙にいとまがない。
すべての人に学びの場を。多様な背景に寄り添う開かれた学校
さらに文化専門課程の大きな特長のひとつに、学生の年齢層が10代から80代までと幅広いことがある。大学・大学院入学の準備のために通う人、定年後や子育て後に学び直す人、一度は諦めた夢をまた追いかける人。その経歴も目的も様々だ。
「年長の学生が進路面接の練習に付き合ったり、逆に若い学生がiPadで絵を描く方法を教えたりと、お互いに知識や情報を交換する姿も。ライバルというよりも同志というイメージです」と担当教員は話す。来春には建築クリエイター科もスタートする。どんな状況でも「やりたいこと」の背中を押してくれる、開かれた学校だ。