ウィーン世紀末美術を代表する作家、エゴン・シーレ(1890〜1918)。その没後100年に当たる2018年、パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンでは大規模な個展が行われ、19年には国立新美術館でウィーン世紀末美術をテーマにした展覧会「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」が開かれるなど、シーレには昨今大きな注目が集っている。
1909年にウィーン美術アカデミーを離れ「Neukunstgruppe(ノイクンストグルッペ:新たなる芸術の集い)」を設立し、1918年にスペイン風邪に倒れるまでの10年間で300点もの絵画と数百に及ぶドローイングを制作したシーレ。
そんなシーレの画業を総覧できるのが、オンラインデータベース「egonschieleonline.org」だ。
同サイトは、シーレのもっとも新しいカタログレゾネであるジェーン・カリアによる『Egon Schiele: The Complete Works』 (1990に刊行、98年に改訂)をもとにしたものであり、現時点でペインティング、素描、彫刻などを掲載。なかでもペインティング の掲載数は419点にもおよび、シーレの代表作として知られる《ほおずきの実のある自画像》(1912)、《死と乙女》(1915)なども見ることができる。
データベースには作品画像はもちろん、作品来歴、展覧会出品歴、そして関連する作品も示されているのが同サイトの特徴だ。
新型コロナウイルスが世界中に蔓延するなか、100年前のパンデミックで妊娠中の妻を亡くし、自身も犠牲者となったエゴン・シーレ。その作品にいま、あらためて思いを寄せたい。