文化に親しむことが推奨されている「文化の日」は、各地の美術館や博物館が無料で開放される日でもある。そんな無料開放を行う美術館のなかから、常設展はもちろん注目の企画展も入場無料になる5館を紹介する。
東京国立近代美術館
東京国立近代美術館では、アジア各地の現代美術の黎明期にあたる1960〜90年代にフォーカスした展覧会「アジアにめざめたら：アートが変わる、世界が変わる 1960 -1990年代」が開催中。10を超える国と地域から絵画、彫刻、版画、写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションといった、多種多様なアヴァンギャルド・アート約140点が集まる。この企画展に加え、横山大観から岸田劉生まで、重要な作品が集まる常設展の「MOMATコレクション」も注目だ。
住所：東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号：03-5777-8600
開館時間：10:00〜17:00（金土〜20:00） ※入館は閉館の30分前まで
東京国立近代美術館工芸館
東京国立近代美術館工芸館では、スウェーデンのガラス・陶器デザイナー、インゲヤード・ローマンの初期から最新作まで約180点を紹介する日本で初めての展覧会「日本・スウェーデン外交関係樹立150周年 インゲヤード・ローマン展」開催されている。本展では、2016年にスウェーデン国立美術館で開催された展覧会をベースに、北欧の伝統あるガラスメーカー「スクルフ」や「オレフォス」のデザインのほか、「イケア」とのコラボレーションによる作品、スウェーデンの建築家との協働プロジェクトまで、初期から最新作までを一挙に紹介。隣接する東京国立近代美術館とあわせて訪れるのもおすすめだ。
住所：東京都千代田区北の丸公園1-1
電話番号：03-5777-8600
開館時間：10:00〜17:00
横浜美術館
日本における現代銅版画の先駆者、駒井哲郎の個展「駒井哲郎―煌めく紙上の宇宙」が横浜美術館で開催中だ。本展は、駒井の版画作品や詩画集など約210点とともに、関連作家作品約70点が展示される充実の内容で、駒井の姿を多面的にとらえなおし、作品の新たな魅力に迫ろうというもの。当日は、企画展との関連テーマが設定されたコレクション展も無料で鑑賞できるほか、ミュージアムショップとカフェも通常開店時間より早い、10時30分から営業を行う。
住所：神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電話番号：045-221-0300
開館時間：10:00～18:00 ※入館は閉館の30分前まで
神奈川県立近代美術館 葉山
フィンランドを代表する建築家であるアルヴァ・アアルト。神奈川県立近代美術館 葉山にて開催中の「アルヴァ・アアルト―もうひとつの自然」は、個人の邸宅や教会、図書館などをはじめ、万博のパヴィリオンや家具なども手がけるなど、幅広く活動したアアルトの作品を多角的に見ることができる。また、アアルト展にあわせ、コレクションから建築をテーマに作品を紹介するコレクション展 描かれた「建物」も開催中。古今東西の「建物」が登場する絵画や彫刻作品および資料、約70点が展示されている。
住所：神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
電話番号：046-875-2800
開館時間：9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
広島市現代美術館
原爆による惨状を描いた連作絵画《原爆の図》で知られる丸木位里と俊の夫妻。その絵画的表現を読みとく展覧会「丸木位里・俊 ―《原爆の図》をよむ」が広島市現代美術館で開催されている。本展では《原爆の図》の初期3部作に加え、《第4部 虹》と《第5部 少年少女》、そして《原爆の図》の需要が高まる全国巡回展中につくられた「再制作版」を同時展示。また、丸木位里と俊、それぞれがこれらの作品の前後に単独で制作した作品もあわせて紹介される。
なお、11月3日に開幕するコレクション展「2018-Ⅲ コレクション・ハイライト＋特集『顔のような』」は、20世紀を代表する作家たちの名品を紹介する展示、そして顔をモチーフにした平面作品と立体作品を特集する2部構成となっている。
住所：広島県広島市南区比治山公園1-1
電話番号：082-264-1121
開館時間：10:00〜17:00
