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内藤礼

Rei Naito

 内藤礼は1961年広島県出身。武蔵野美術大学卒業。「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに、空気、光、水、重力といったあらゆる素材を詩的に変貌させ、鑑賞者が自分と自分以外の存在に向き合う空間を設置したインスタレーション作品をつくり出す。鑑賞者が1人ずつ特別に設えられたテント空間に入り、繊細なオブジェが並ぶ展示を10分間体験する《地上にひとつの場所を》は、91年、佐賀町エキジビット・スペース(東京)の個展で発表され、97年の第47回ヴェネチア・ビエンナーレで再展示された。

 家プロジェクト きんざ《このことを》(2001)、《母型》(豊島美術館、2010)といった、自然や建築空間と呼応する恒久展示作品も手がける。主な個展に「みごとに晴れて訪れるを待て」(国立国際美術館、大阪、1995)、「Being Called」(カルメル会修道院、フランクフルト、1997)、「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」(神奈川県立近代美術館 鎌倉、2009)、「信の感情」(東京都庭園美術館、2014)、「内藤礼 信の感情」(パリ日本文化会館、2017)など。