EXHIBITIONS

杉戸洋「cut and restrain」

杉戸洋 image from sketch book 2019 © Hiroshi Sugito

 1990年代の活動初期から国内外で活躍し、近年は国内の美術館で立て続けに個展を開催するなど、ますます躍進を遂げているアーティスト・杉戸洋。2017年、東京都美術館での個展「とんぼ と のりしろ」では、前川國男設計の美術館建築を丹念に読み込み、常滑のタイルによる高さ4メートルの大作《module》を含む、空間に呼応するような作品を展示。平成29年度(第68回)芸術選奨、文部科学大臣賞受賞するなど高い評価を得た。

 杉戸は近年、「絵画」の枠にとどまらず、建築と作品が相互に作用し合う場をつくり出している。「インスタレーション」とも異なる、一つひとつの作品に独自の「空間」を構成し、杉戸という作家の思考と入念なリサーチ、プロセス、時間、そして色彩と余白が鑑賞者のいる展示空間に重なり合う。そうして、鑑賞者は杉戸の世界観にふれることで、世界はひとつの方向や視点ではなく、様々な角度から構築され変化し続けるものだということに改めて気づかされる。

 本展では、新作とともに、約3×2メートルのキャンバス2点と、それらを中心とした小作品を発表。普段制作で使用している素材、木枠とキャンバス地で、引っ張る、緩めるといった、作家が「テンションや撓(たわ)みの言うとこを聞きながら」、貼り合わせたものを展示する。