EXHIBITIONS

特別展

Double Body - 細江英公と土門拳

2026.07.17 - 10.12
 山形県酒田市の土門拳写真美術館で、特別展「Double Body - 細江英公と土門拳」が開催される。会期は7月17日〜10月12日。

 土門拳(1909〜90)は、山形県酒田市生まれ。1933年に写真の道を歩み始め、日中戦争から太平洋戦争へと向かう時代のなかで、その写真活動は戦争の影響を強く受けることとなった。戦争期に国策協力的な撮影を数多く手がけたことへの反省は、戦後の土門を新しい写真の模索へと駆り立て、のちに写真界に大きな影響を与える「リアリズム写真運動」へとつながっていく。

 いっぽうで、当時の土門は「写真的肉体」という造語を用い、欧米の写真家に負けない日本独自の力強い写真のあり方を目指していた。また同時期によく手がけたヌード写真などの背景には、戦後日本人の生命や生活の逞しさ・美しさを、肉体というモチーフを通じて表現したいという意志があった。

 細江英公(1933〜2024)は、戦後の写真界において肉体やヌードに取り組んだ作家として知られている。50年代初頭に若くして頭角を現した細江は、小説家・三島由紀夫を被写体とした代表作『薔薇刑』をはじめ、人間の肉体を多様な実験的手法のもとで捉えた作品群を提示した。その写真表現は細江にとって「時代への反逆」であり、激動の戦後社会に対する「密室からの叫び」でもあったという。

 両者は、世代や作品のスタイルが異なりながらも、互いの写真に敬意を抱き合い、深い交流を持っていた。

 本展は「肉体」をキーワードに据え、両者の軌跡を多角的に振り返る。また、初展示となる約30点の土門作品を紹介する。