EXHIBITIONS
建長寺 プレミアム夜間拝観
VIE presents ZEN NIGHT WALK KAMAKURA
鎌倉・建長寺で、秋の紅葉をテーマにしたプレミアム夜間拝観イベント「ZEN NIGHT WALK KAMAKURA」が開催されている。
本イベントは、臨済禅の思想と空間を、先進的なアートとニューロミュージックによって再解釈するアートプログラムだ。
会場のひとつである法堂には、画家・小泉淳作(1924〜2012)が壮大な龍の姿を描いた天井画《雲龍図》がある。小泉は、戦後の混乱期を経て独学で絵画を学び、臨済宗の京都・建仁寺にも天井画《双龍図》を奉納したことで知られる。
この小泉の天井画に対して「かさね」「うつし」「なぞらえ」といった日本古来の美意識をもって現代的な解釈と継承を試みたのが、アーティストの脇田玲だ。脇田は慶應義塾大学教授として、非線形物理システムや流体力学のシミュレーションのソフトウェア開発に取り組む研究者でもある。建仁寺《双龍図》に応答する前作《龍雨図》(2024年)に続き、サイエンスとアートを交差するオーディオビジュアルインスタレーション《龍雲図》を手がけた。本作は、仏法の雨を降らせるという龍への精神性になぞらえながら、雨や風、雲の動きといった自然現象を、光と粒子によって複層的にシミュレーションし、現代の日本画として表現したものである。
また本作には、ヴィー株式会社(VIE)とのコラボレーションとして、ガンマ波を扱うニューロミュージック(*)が取り入れられている。雨や雷のサンプリング音や太鼓、シンセサイザーの音にガンマ波を組み込み、光と音、そして身体が共鳴するインスタレーション空間がつくり上げられた。
また本イベント内では、法堂をはじめとする境内の各所に計7つの鑑賞スポットが展開されている。ニューロミュージックが流れる「音回廊」をはじめ、秋風と紅葉に包まれた方丈庭園に浮かぶ雲海を映し出す「風龍の舞」、金色に輝く唐門と地面に映る淡い光の揺らぎを見せる「悠玄庭」、そして龍王殿での脳波計を装着した坐禅体験など、アートとニューロミュージックが響き合う禅空間が、夜の建長寺に立ち現れる。
*──ニューロミュージックとは、脳のリズムに変化をもたらすことが科学的に立証された音楽。集中や瞑想、リラクゼーションといった意識状態を聴き手に誘発する効果がある。なかでもガンマ波は、記憶の想起や感覚情報の統合など、脳が高度な情報処理を行う場面で顕著に現れる高周波とされる。
本イベントは、臨済禅の思想と空間を、先進的なアートとニューロミュージックによって再解釈するアートプログラムだ。
会場のひとつである法堂には、画家・小泉淳作(1924〜2012)が壮大な龍の姿を描いた天井画《雲龍図》がある。小泉は、戦後の混乱期を経て独学で絵画を学び、臨済宗の京都・建仁寺にも天井画《双龍図》を奉納したことで知られる。
この小泉の天井画に対して「かさね」「うつし」「なぞらえ」といった日本古来の美意識をもって現代的な解釈と継承を試みたのが、アーティストの脇田玲だ。脇田は慶應義塾大学教授として、非線形物理システムや流体力学のシミュレーションのソフトウェア開発に取り組む研究者でもある。建仁寺《双龍図》に応答する前作《龍雨図》(2024年)に続き、サイエンスとアートを交差するオーディオビジュアルインスタレーション《龍雲図》を手がけた。本作は、仏法の雨を降らせるという龍への精神性になぞらえながら、雨や風、雲の動きといった自然現象を、光と粒子によって複層的にシミュレーションし、現代の日本画として表現したものである。
また本作には、ヴィー株式会社(VIE)とのコラボレーションとして、ガンマ波を扱うニューロミュージック(*)が取り入れられている。雨や雷のサンプリング音や太鼓、シンセサイザーの音にガンマ波を組み込み、光と音、そして身体が共鳴するインスタレーション空間がつくり上げられた。
また本イベント内では、法堂をはじめとする境内の各所に計7つの鑑賞スポットが展開されている。ニューロミュージックが流れる「音回廊」をはじめ、秋風と紅葉に包まれた方丈庭園に浮かぶ雲海を映し出す「風龍の舞」、金色に輝く唐門と地面に映る淡い光の揺らぎを見せる「悠玄庭」、そして龍王殿での脳波計を装着した坐禅体験など、アートとニューロミュージックが響き合う禅空間が、夜の建長寺に立ち現れる。
*──ニューロミュージックとは、脳のリズムに変化をもたらすことが科学的に立証された音楽。集中や瞑想、リラクゼーションといった意識状態を聴き手に誘発する効果がある。なかでもガンマ波は、記憶の想起や感覚情報の統合など、脳が高度な情報処理を行う場面で顕著に現れる高周波とされる。

