EXHIBITIONS
戸谷成雄「視線体:半彫刻」
シュウゴアーツで、戸谷成雄による新作個展「視線体:半彫刻」が開催されている。
以下、本展の展覧会ステートメントとなる。
「戸谷は『視線体』と名付けたシリーズに2019年以来取り組んできました。今回披露する『視線体:半彫刻』では、彫刻に『半』という言葉を付しています。これはどのような彫刻的思考に支えられたものでしょうか。
ギリシャ時代の輝かしい彫刻の時代の前には、レリーフ(浮彫)の存在があり、『レリーフから彫刻へ』という連続性を前提とした展開をしている、とするのが西洋近代彫刻史における通説と言われています。
戸谷の『半彫刻』は、その流れを逆転して、『彫刻からレリーフへ』と向かいます。ただし、戸谷は前ギリシャ時代の原始的なレリーフに戻ることを考えているわけではありません。戸谷が『半彫刻』で企図しているのは、半分見えない不可視の領域を持つような彫刻の在り方の可能性です。
いわゆる『彫刻』というものを、自然と連なったレリーフ的な状態を脱し、自然から切り離されて『自立』した求心性のある姿、形だとします。そうすると戸谷の言う『半彫刻』は、分離した状態から再び自然を志向し、自然との『共生』を図ろうとする姿・形とも言えるでしょう。
原始的なレリーフは、背後に連なる見えない世界を前提とするものではありませんでしたが、『半彫刻』は見えない世界を暗示し、不可視の領域を想定している点において、原始的なレリーフのあり方とは一線を画しています。
戸谷成雄は、50年前27歳の時、1974年に『POMPEII・・79』を発表して以来、極東の日本において一貫して独自の彫刻観にもとづく大きな物語を追求してきました。今回の『視線体:半彫刻』では、戸谷成雄の最新の彫刻的冒険を皆様に披露します」(展覧会ウェブサイトより)。
なお、本会場で展示予定であった大作ドローイング《森の視線》(2001)が、天王洲シュウゴアーツ・ステュディオで展示されている。
以下、本展の展覧会ステートメントとなる。
「戸谷は『視線体』と名付けたシリーズに2019年以来取り組んできました。今回披露する『視線体:半彫刻』では、彫刻に『半』という言葉を付しています。これはどのような彫刻的思考に支えられたものでしょうか。
ギリシャ時代の輝かしい彫刻の時代の前には、レリーフ(浮彫)の存在があり、『レリーフから彫刻へ』という連続性を前提とした展開をしている、とするのが西洋近代彫刻史における通説と言われています。
戸谷の『半彫刻』は、その流れを逆転して、『彫刻からレリーフへ』と向かいます。ただし、戸谷は前ギリシャ時代の原始的なレリーフに戻ることを考えているわけではありません。戸谷が『半彫刻』で企図しているのは、半分見えない不可視の領域を持つような彫刻の在り方の可能性です。
いわゆる『彫刻』というものを、自然と連なったレリーフ的な状態を脱し、自然から切り離されて『自立』した求心性のある姿、形だとします。そうすると戸谷の言う『半彫刻』は、分離した状態から再び自然を志向し、自然との『共生』を図ろうとする姿・形とも言えるでしょう。
原始的なレリーフは、背後に連なる見えない世界を前提とするものではありませんでしたが、『半彫刻』は見えない世界を暗示し、不可視の領域を想定している点において、原始的なレリーフのあり方とは一線を画しています。
戸谷成雄は、50年前27歳の時、1974年に『POMPEII・・79』を発表して以来、極東の日本において一貫して独自の彫刻観にもとづく大きな物語を追求してきました。今回の『視線体:半彫刻』では、戸谷成雄の最新の彫刻的冒険を皆様に披露します」(展覧会ウェブサイトより)。
なお、本会場で展示予定であった大作ドローイング《森の視線》(2001)が、天王洲シュウゴアーツ・ステュディオで展示されている。

