EXHIBITIONS

秋山あいれ、岩岡純子、久木田大地「New Eden」

2024.11.29 - 12.21

久木田大地 Repetition_岩窟の聖母 02 2024 パネルに油彩 80.3 × 65.2 × 2.7 cm

 tagboatで、秋山あいれ、岩岡純子、久木田大地による展覧会「New Eden」が開催されている。

 本展では、西洋絵画の伝統的な技法や具象的な表現を現代アートのコンテクストに落とし込みながら、新しい表現を追求している3名の作家の作品を展示。

 秋山あいれは、古典的なモチーフを用いながら、グラフィカルな要素と重厚な油絵の手法を組みあわせ、表層と深層が交錯する独特の表現を目指している。エッジの効いた線描と18世紀以前の描写を融合させ、人間の潜在意識に関わるテーマを通し、温度差や微かな違和感を浮き彫りにする。

 岩岡純子は、西洋美術の名画と現代の日本の風景を重ねあわせ、タイムスリップのような構図で作品を展開。名画のなかの人物が現代の日本に存在しているようなシーンを描き、歴史と現代の文化的なギャップを探求しながら、現代社会を示唆する作品へと昇華させる。

 久木田大地は、西洋の古典絵画を引用しながら、観者に視覚的な驚きを提供する作品を手がけてきた。画面構成には繰り返しや変容の手法を用い、鑑賞体験に"ずれ"を生じさせることで、古典と現代のあいだに新たな価値観を創出する。

 本展で3名の作家は、それぞれの異なる手法で過去と現在を結びつけ、観者を新しい"楽園"への視覚的な旅へと誘う。たんなる理想郷ではなく、現代社会が抱える矛盾や葛藤をも内包した姿に触れてみてほしい。