「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」は、仏像や刀剣、日本画といった古来からある日本美術と、8組の現代作家が共演する展覧会だ。
「古典」としては、曾我蕭白、尾形乾山、円空、仙厓、葛飾北斎などをはじめ、鎌倉時代の仏像や、伊藤若冲をはじめとする江戸時代の花鳥画、刀剣の名品が並ぶ。これら古典美術は、日本最古の美術雑誌である『國華』の主幹・小林忠が総監修。国立新美術館に古典美術が並ぶのは、今回が初だ。
「もの派」を代表する作家、菅木志雄は仙厓の《円相図》(19世紀)に応答し、菅は円形のステンレス板と木や石などを組み合わせた《支空》(1985)を再制作。さらに菅は、仙厓《○△□(まるさんかくしかく)》をもじるように「○」「△」「□」を展示室内に再現した。
川内倫子は、伊藤若冲、河村若芝、岡本秋暉といった江戸時代の絵師の花鳥画と対応するように写真作品と映像を展示。また、一木造りにこだわった作品を生み出す彫刻家・棚田康司だは、円空の作品と調和するように展示をつくりあげた。
鴻池朋子の牛革でできた作品《皮緞帳》(2015)は、平安から江戸時代の刀剣の数々とともに構成されている。建築家・田根剛は、古刹・西明寺の本尊である薬師如来の脇侍である《日光菩薩立像》と《月光菩薩立像》を綿密にリサーチ。インスタレーションを制作した。
漫画家のしりあがり寿と葛飾北斎、「ミナ ペルホネン」デザイナーの皆川明と尾形乾山もそれぞれ作品を制作。さらに横尾忠則は、長年オマージュを捧げてきた曾我蕭白を題材とした作品を展示する。