EXHIBITIONS

下田ひかり「現在地」

God Is Dead, But… #18 2024 72.7 × 72.7 cm Acrylic, oil, cotton cloth on panel

 メグミオギタギャラリーで、下田ひかりによる個展「現在地」が開催されている。

 下田は、可愛さと恐ろしさ、孤独、生と死が同居する世界を想像し作品を制作。2011年から海外でも発表し、2014年7月にCorey Helford Gallery(ロサンゼルス)で初個展、2018年には地元長野県の朝日美術館で個展を開催。また、2021年にはグループ展「Portraits」で同廊初展示を行った。

 下田の作品は、彼女の表現の曖昧な"器"として、性別や属性にとらわれない人間である子供の概念を提示。作品の構想を世界中の人に直感的に伝えるため、影響を受けてきた漫画やアニメ的な表現を取り入れている。2010〜2011年頃からスーパーヒーローや魔法少女などの特徴的なモチーフを描き、また、新聞紙のコラージュや絵筆の筆致を生かして社会問題や宗教観を問いかける手法を確立。作家個人の不安や孤独は普遍的なテーマでもあり、下田が描く子供たちは「すべての人であり、誰でもない」ことが重要とされている。

 本展の開催に向けて描かれた新作は、希望と悟りに向かって進む下田の覚悟が含まれている。