EXHIBITIONS

百瀬文「十年」

2024.06.22 - 07.21

メインビジュアル

 タリオンギャラリーで、百瀬文による個展「十年」が開催されている。

 百瀬文は、見ること/見られること、語ること/語られることの非対称性を映像によって自己言及的に問い直し、主体の揺らぎや不確かさを露わにするとともに、他者との交感が空転しつつも発現するコミュニケーションの多様なあり方を示す作品を制作してきた。その場に存在するにも関わらず無いものとされてきた声、それらを生み出す構造を扱い、近年はジェンダーやセクシュアリティをめぐる問題にも明示的に取り組んでいる。

 本展では、2014年6月に撮影された映像フッテージをもとに、この10年、あるいはこれからの10年の姿について問いかける場を共有。その映像には、群衆のなかで役務をまとった公的な身体と私的にひらかれた身体とが、シュプレヒコールの声のなかで、ひとつの相貌に折り重なって映し出される。