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丹羽良徳「ワークインプログレス:地球の裏側で戦争を終わらせる」

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 Satoko Oe Contemporaryで、丹羽良徳による個展「ワークインプログレス:地球の裏側で戦争を終わらせる」が開催されている。

 丹羽が現在制作中のソーシャルプラクティス「地球の裏側で戦争を終わらせる」(2023〜)の指示書として制作されたコラージュドローイングは、防水ブルーシートに描かれている。作品内容を示すテキストと昭和天皇、服毒自殺した元内閣総理大臣の近衛文麿の顔、唇、青酸カリなどが大きく拡大される。戦後80年近くを迎える日本は、戦争を体験した世代も減り、また社会のかたちも大きく変化した。かつて日本軍が侵攻したアジア地域からの労働者や学生を迎えるようになった。

 本作品は、そのアジアからの訪問者によって、昭和天皇の玉音放送を再現することで、戦争がいかなるものかと地球規模の変化のなかから考えようとしている。丹羽は、この作品をおよそ数年以内に完了させようと計画している。本展では、そのコラージュドローイングを中心にウィーンで制作した新作・近作のドローイング、フィリピンのマニラのゴミ埋め立て場を舞台とした映像作品「ゴミの山の命名権を販売する, 2014」を展示している。