加藤智大「"binary"」

　TEZUKAYAMA GALLERYで、加藤智大による個展「"binary"」が開催される。

　加藤智大は、2006年に多摩美術大学大学院美術研究科修士課程を修了後、金属加工会社で腕を磨きながら作家としての地歩を固める。2013年、第16回岡本太郎現代芸術賞展にて発表した「鉄茶室轍亭」（2012）が岡本太郎賞を受賞。

　また、同年に岡本太郎記念館で行われた個展「太陽と鉄」では、牢獄を模した自身の作品のなかに、館の所蔵品である岡本太郎の作品を投獄するという、強烈な視覚体験と批評性に富んだインスタレーションを発表。

　いっぽう、「anonymous series」では、檻に囲われた作品に影が落ちる様を作品として抽出した作品を制作。鉄格子と人のあいだにある影は社会が持つ境界とリンクしているようにも読み取れる。

　時間や事象の積み重ねにより社会観の変化が著しく見受けられる昨今、加藤自身にはどのような積み重ねがあったのか。時代と加藤をつなぐ作品群の新たな局面を目撃してほしい。