• HOME
  • 展覧会
  • 京都
  • 君があまりにも綺麗すぎた ~福田コレクションの美人画~
EXHIBITIONS

君があまりにも綺麗すぎた ~福田コレクションの美人画~

 嵯峨嵐山文華館、福田美術館で「君があまりにも綺麗すぎた ~福田コレクションの美人画~」が開催されている。

「美人画」というジャンルが日本で生まれたのは江戸時代のことである。同時代の洗練された衣装や、優れた着こなしを絵画として愛でる文化が生まれた。浮世絵師たちも数多くの作品を描き、多くの人々がそれを求めたとされる。近代に入ると、展覧会という場でも美人画が重視されるようになり、多くの日本画家たちが理想の美人画を追求し、作品は美しく、麗しく妍を競う時代が訪れた。

 本展では、多種多様な着想や表現をまとった魅力の源にあったであろう「君があまりにも綺麗すぎて」という画家たちの想いをキーワードとして、福田コレクションのなかから、選りすぐった近世から近代にかけての約190点の美人画を嵯峨嵐山文華館と福田美術館の2館に集め、その魅力に迫る。

 第1会場となる嵯峨嵐山文華館では、日本における美人画のルーツとなる浮世絵を紹介している。歌川広重や葛飾北斎など、著名な浮世絵師によって描かれたものから、近世に京都で活躍した画家による美人絵などを展示。髪型や衣服に当時流行した風俗をいまに留める美人画が並ぶ。さらに、その流れを汲む近代美人画の名手たち、鏑木清方や北野恒富、伊東深水らによる作品で、時代の流れとともに変化していった浮世絵系美人画の系譜を巡る。

 さらに第2会場となる福田美術館では、福田コレクションが誇る近代美人画の名品を紹介。「東の清方、西の松園」と称され、お互いを認めあっていた近代を代表する美人画家、上村松園と鏑木清方の共演が繰り広げられる。また、近代の美人画の営みは、彼らだけに留まるものではない。伊藤小坡や伊東深水、梶原緋佐子ら、それぞれに異なる発想と手法で制作に励んだ画家たちに加え、甲斐荘楠音、岡本神草らによる妖艶な美人画なども公開している。