EXHIBITIONS

AOMORI GOKAN アートフェス 2024 メイン企画

弘前エクスチェンジ # 06「白神覗見考」

弘前れんが倉庫美術館、土淵川吉野町緑地、CAFE & SHOP BRICK、ギャラリーまんなか、HIROSAKI ORANDO
2024.04.06 - 09.01

狩野哲郎 あいまいな地図、明確なテリトリー 2024 本展展示風景 Courtesy of the artist

 弘前れんが倉庫美術館では、美術館内のほか弘前市内の複数の場所を会場として「弘前エクスチェンジ # 06『白神覗見考』」が開催されている。

 本展は、弘前エクスチェンジ#06「白神覗見考」と題して、白神山地をテーマにリサーチ・プロジェクトだ。弘前れんが倉庫美術館を含む⻘森県内5つの美術館・アートセンターを中⼼に⾏われる「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」のメイン企画のひとつであり、狩野哲郎、佐藤朋子、永沢碧衣、 L PACK.の4組のアーティストたちが、それぞれの視点で、作品展示をはじめワークショップやイベントなどを実施する。

 白神山地とは、青森県南西部から隣県・秋田県西北部にまたがる山岳地帯の総称で、このうち原生的なブナ林で占められている区域(約17000ヘクタール)が、1993年にユネスコにより世界自然遺産として登録された。白神山地は多種多様な動植物の生息・自生が保たれている場でありながら、弘前市を含む津軽平野(青森県西部)を流れる岩木川の源流の地でもあり、人々が生活する市街地とも地続きの土地である。

 本企画では、参加作家たちとともに古くから人々の生活を支えてきた川をたどり、その源となる山々の姿に目を向けることで、世界遺産登録前後もそこに息づく動植物の存在や、山村の営みの変遷、近代化といった山とともに生きる人々の生活の変化にも考えを巡らせる。

 参加作家の狩野哲郎は、白神山地が世界自然遺産となったことで、それまでそこに暮らしていた人や動物にどんな変化が生まれたのかを探り、立体作品を中心に美術館内外の会場で展開。永沢碧衣は、自身の狩猟経験をもとに制作した絵画作品を展示。佐藤朋子は会期を通じて来場者をゆるやかに巻き込みながら、長期的なリサーチの過程を公開しアップデートし続けていく予定だ。L PACK.は、弘前市では馴染み深い夏の祭りである「宵宮」に触発され、展覧会期末の3日限定のイベントとして体験型作品を公開する。