EXHIBITIONS

AOMORI GOKAN アートフェス 2024 メイン企画

蜷川実花展 with EiM:儚くも煌めく境界

Where Humanity Meets Nature

2024.04.06 - 09.01

本展会場風景 © Lucky Star Co.,Ltd

 弘前れんが倉庫美術館で、写真家・映画監督の蜷川実花とクリエイティブ チーム・EiM(エイム)との協働による大規模な個展を開催。本展は、同館を含む⻘森県内5つの美術館・アートセンターを中⼼に⾏われる「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」のメイン企画のひとつとなっている。

 日本を代表する写真家・映画監督として、精力的に活動する蜷川は、近年は個人の活動と並行し、異なる分野のつくり手や研究者が作品に応じて有機的に集まるクリエイティブチーム・EiMとしての制作も展開している。同チームのメンバーであるデータサイエンティストの宮田裕章、セットデザイナーのEnzo、クリエイティブディレクターの桑名功らとの協働によって、鑑賞者が空間の内部をさまよい、自らが作品の一部となって体感するインスタレーションをはじめとした自身の作品の可能性を切り拓く。

 本展では、EiMとともにつくりあげるインスタレーション作品のほか、蜷川が弘前で撮影した桜をはじめとした、日本各地の花々をとらえた作品を紹介。さらに、過去の代表シリーズも、近年の蜷川作品とのつながりを示す新たな時間軸で提示する。

 蜷川は、活動の初期から、花を重要なモチーフとして継続的に撮り続けてきた。なかでも蜷川が惹かれるのは、原生林のような野に咲く花ではなく、人間の手によって育てられ、人間と共存する花々。とくに近年は近所の公園から全国各地の花の名所まで、国内での撮影を集中的に行なっている。そうした撮影の旅のなかで、蜷川は弘前の桜に出会う。本展では、弘前で撮影した桜を展示のクライマックスとして紹介。

 展覧会を通じて、人間と自然とが築いてきた関係性を浮かび上がらせ、それぞれが住まう土地の自然やその背景にある文化、歴史を新たな視点からとらえ直す機会となることを目指す。